自宅で作るパスタ料理:ボロネーゼ

タリアテッレ・ボロネーゼ:Tagliatelle al Ragù alla Bolognese

ボロネーゼについて

エミリア=ロマーニャ州にあるボローニャの発祥、挽肉たっぷりの食べごたえあるパスタです。

正しくは Ragù alla Bolognese (ボローニャ風煮込み)と言うようです。煮込みというだけあって、赤ワインでしっかり煮込むのがポイントでしょう。お肉の旨味と、赤ワインの深みが合わさった重厚な美味しさがボロネーゼの魅力だと思います。

ボロネーゼの構成要素

ボロネーゼの主役はなんといってもお肉なので、ここの美味しさが一番の要点ですね。牛肉100%か、あるいは豚肉を少量混ぜたりします。肉に塩を振って少し休ませる、こうすることで味がしっかり出ます。ここでスパイスを入れても良いです。ハンバーグによく入るナツメグや、あるいはクローブなどがあります。私は臭み消し+食欲増進の効果があると言われるオールスパイスを入れたりもします。乾燥ハーブもあり得る選択肢でしょう。煮込むときに、フレッシュのタイムやローリエを入れて、後で取り出すのも良し。
また、挽肉だけでなく、別のお肉も足して旨味を増強することもあります。レバーなども使われるらしいですが、私の場合は入れるならパンチェッタや生ハムですね。

ボロネーゼには、香味野菜の炒めが入ります。ソフリットというものですね。玉ねぎ、にんじん、セロリを3:2:1の質量比でみじん切りにし、色がつくまで炒める。この工程に時間がかかるのですが、ソフリットは作り置きが可能です。たくさん作っておいて、薄い状態で冷凍する。ボロネーゼを作るたびに適量を切り離すことで、手間を大きく削減できます。ソフリットは、煮込み料理、スープ、玉ねぎのみじん切りの代わりになど、他の色々な料理にも利用できるので、手間に対する効果は優れていると思います。

あとはパスタ。タリアテッレという幅広パスタを合わせるのが定番、それ以外はボロネーゼと名乗らないそうです。ですが自宅で食べるならば何を使っても自由でしょうね。タリアテッレの乾麺は、鳥の巣のようにグルグル巻きの状態で包装されている事が多いですね。タリアテッレはパスタの中でも自家製をしやすいので、たまに作ったりもしています。生地を練って、伸ばして包丁で切るだけ。伸ばすのが面倒ですが、製麺機や特殊な器具がなくても作れます。

最後にチーズ、主にパルミジャーノが使われます。甘い香りが強く出るチーズですが、肉々しいボロネーゼには相応でしょう。塊のチーズを削って振りかければ、とても魅力的な姿の料理になります。

薄いパルミジャーノを振りかけた、赤ワイン多めトマト少なめのボロネーゼ

ミートソースとの区別

ボロネーゼといえば、日本で親しまれているミートソースパスタをイメージされる方もいらっしゃるかもしれません。私はボロネーゼとミートソースをしっかり別の料理として両立させたいので、違いをつけるための調理ポイントを複数設けています。

お肉の粒度

  • ボロネーゼは挽肉の塊をある程度大きく残し、ゴロゴロさせる。
  • ミートソースは挽肉をしっかり砕いてサラサラにする。

ソースの下地

  • ボロネーゼには赤ワインたっぷり、トマトを少し。
  • ミートソースにはトマトベースで、赤ワインを少し。

パスタ

  • ボロネーゼにはタリアテッレ。
  • ミートソースにはスパゲッティなどお好みのパスタ。


トマトの量ですが、個人的にはかなり少なめが好みです。トマトの量が少ないと、黒っぽい紫色のボロネーゼになります。少しコクが薄まる印象ですが、キレがよくあっさり食べられる気がするので、昼食には丁度よいです。トマトの量が増えていくと、段々と色が茶色っぽくなっていき、よく見るボロネーゼの姿になります。

ショートパスタでもボロネーゼは楽しめます

動画紹介

家でボロネーゼを作ろうと思ったきっかけは、Ropia シェフと日高シェフの動画です。

巨匠に教わる【ボロネーゼ】日髙良実シェフに教わる - YouTube

また、ファビオシェフの徹底解説は隅々まで説明されていて参考になります。

まだ誰も知らないボロネーゼ《永久保存版》 - YouTube

動画として好きなのはクラシルの鈴木弥平シェフの動画です。喋りが面白い。

【至極のパスタ】14年連続ミシュラン一つ星シェフが教える“最高のボロネーゼ“の作り方 【ピアットスズキ・鈴木弥平】クラシル #シェフのレシピ帖 - YouTube

作り方

ソフリットの作り方

玉ねぎ、人参、セロリを可食部の質量比 3:2:1 で用意し、全てみじん切りにする。オリーブオイルを入れたフライパンに野菜を入れ、水分を出すために塩を全体に振りかける。弱火で10~20分炒める。パチパチと音が鳴り出すと色がついていくので、好みの状態で止める。沢山作った場合は、ラップに薄く広げて包み、冷凍する。

ソフリット
材料
調理手順

牛肉に塩胡椒、好きなスパイスを混ぜ、少し休ませる。それをいくつかの塊に分け、オリーブオイルを敷いたフライパンで炒める。焼き目がついたら少し肉を崩して引き続き炒める。肉の全体に色がついたら、ソフリットと小さくしたパンチェッタをいれて混ぜる。具材が浸るくらいの赤ワインを入れ、タイムを入れて煮詰める。赤ワインが減ってきたらタイムを取り出し、トマトピューレを入れて、塩で味を調える。お好みでバターを加えてコクを足す。茹でたタリアテッレと和えて更に盛る。パルミジャーノ・レッジャーノを削って振りかける。パセリはお好みで。