自宅で作るパスタ料理:アマトリチャーナ

アマトリチャーナとは

アマトリチャーナは、アマトリーチェという場所が発祥の、ローマの伝統的なパスタ。
カルボナーラ(卵、豚肉、チーズ)、カチョエペペ(チーズと胡椒のパスタ)と共に、ローマの三大パスタと呼ばれています。

ブカティーニアマトリチャーナ (Bucatini all'Amatriciana)

トマトと豚肉でソースを作り、チーズをかけて食べるパスタメニュー。食材はとてもシンプルなレシピですが、とても濃厚で深みのある味になり、何度も食べたくなる人も多いことでしょう。私も自宅で何度もアマトリチャーナを作っています。

パスタは、基本的には穴の空いた太いロングパスタのブカティーニや、大きな穴開きのショートパスタであるリガトーニなどがよく合わせられます。その他であれば、濃厚なソースに合わせる太いパスタが選択されるようです。

豚肉と言いましたが、本来使われるのは頬肉の塩漬け加工品であるグアンチャーレです。これが調理によって独特の香りを出し、ただのトマトソースではない香りの強いソースになってくれます。
グアンチャーレは脂身が多く、炒めるとビックリするほど油を出すため、オリーブオイルもなしでパスタを作り上げることができます。

グアンチャーレ

ペコリーノ・ロマーノは塩味の強い羊のチーズです。カルボナーラやカチョエペペも本来はこのチーズを使いますね。大きめのスーパーや輸入食材のお店で手に入れることができます。粉チーズと比較しても、それほどコストパフォーマンスは低くないですよ。

レシピによっては、玉ねぎを入れるケースもよくあります。むしろ、日本のシェフの解説であれば玉ねぎを入れる場合がよく見られるような気がします。玉ねぎを入れるかどうかはイタリアでも論争になっているそうですが、 Ropia シェフの解説がとても納得できる内容で、気に入っています。

プロが教える【アマトリチャーナ】本格レシピ紹介 - YouTube

(要約)「味噌汁にネギなどの具を入れても入れなくても味噌汁だが、味噌汁に味噌を入れないことはない。その必須となる部分がトマト、グアンチャーレ、ペコリーノロマーノ。」

因みに、私は玉ねぎ入れない派です。単純に玉ねぎが苦手なのと、もともと食材数の少ない洗練されたレシピだから、色々と足さなくても良いという理由です。

グアンチャーレは日本ではなかなか手に入らないので、パンチェッタ(バラ肉の塩漬け)やベーコンで代用しても良いでしょう。少し風味は変わりますが、調理によっては十分に美味しい品にすることができます。パンチェッタであれば、食材から油脂を出しやすくするための油(呼び油)としてオリーブオイルを少量、脂身の少ないベーコンであれば少し油を増やして、炒めると良いです。どの食材にせよ、焦げ目がつくようにしっかり炒めることが美味しいアマトリチャーナのポイントだと思います。炒め方が弱いと、グアンチャーレやパンチェッタの脂のグニャグニャした食感が残ってしまいますし、ベーコンの場合は旨味がしっかりソースに溶け込まず、ベーコン入りトマトパスタみたいな印象になってしまいます。とはいえ、火を入れすぎると固くなってしまうので、その塩梅については調整してみてください。

リガトーニアマトリチャーナ (Rigatoni all'Amatriciana)

食材の種類が少ないゆえに、それぞれをしっかりと楽しめるパスタです。チーズがお好きな方はペコリーノ・ロマーノ(とチーズ削り器)を買って試してみてください。

作り方

材料

(作りやすい食材にしています。)

  • パンチェッタ 40g
  • ペコリーノ・ロマーノ 15g
  • トマト缶 1/2缶
  • きび砂糖 小さじ1/2
  • 太めのパスタ 80g
  • オリーブオイル 大さじ1程度
  • パスタ湯(塩分濃度1%)
  • 塩(お好み)

手順

ペコリーノ・ロマーノを削っておく。オリーブオイルを敷き、パンチェッタを焦げ目がつくまで炒める。トマト缶(ホールの場合は、皮とへた付近の硬い部分を取る)ときび砂糖を入れ、少し煮詰める。お好みで、塩でソースを調味する。茹で上がったパスタを入れて和える。この時にペコリーノを少し入れても良い。皿に盛ったら上からペコリーノをかけて完成。